赤い土

パラグアイでの滞在期間内は平田真実先生にお世話になる。

この方については、また別項でお話ししなければならないだろう。この人の情報だけで一つの本が出来上がりそう。この人を知りたいと思い、僕はパラグアイまで来たのだから。

アスシオンの空港は、経由してきた空港に比べるとささやかな造りだ。けれどもそのささやかさがこれまでの緊張してきた旅の疲れを少しだけ和らげてくれる。タラップを歩きヨハネ・パウロ二世の肖像が飾られている広場まで出る。その先をみると番頭台みたいなパスポートをチェックするゲートがある。そして、その先を見ると、

 

平田真実先生が迎えに来ておられた。

「いらっしゃい。よくおいでくださいました。」

そう言われると、私の23キロギリギリ未満のスーツケースを受け取り、お兄さんの待つ黒いプリウスまでエスコートしてもらう。

 

いよいよパラグアイでの旅が始まるんだ。胸が高鳴る。

 

車から見える外の景色は異国そのものだった。凸凹したアスファルト。赤いレンガでできた家。日本ではもうめったに見なくなった野良犬。

そして、土埃。

 

パラグアイに、来たんだ。

 

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